糸島くらし×ここのき 野口 智美

糸島の木を流通させるお店を通して森づくりを応援。

 

糸島の森を守りたいと約2年前から独自の活動を続けている野口智美さん。3人の娘さんの子育てに奮闘しながらも、前原商店街で生活雑貨を販売する「糸島くらし×ここのき」を営む元気いっぱいの糸島人です。

もともとは直接糸島の森を守る仕事につきたいと思っていた野口さんですが、林業での雇用を見つけることができませんでした。そこで、木材や木工製品を販売し、糸島の木を流通させるお店をつくって森づくりを応援しようと思ったのが「糸島くらし×ここのき」を始めるきっかけだったそうです。

全国的にもそうですが、いま糸島の森は充分な手入れがなされておらず荒廃がすすんでいます。放置された山はひ弱になり、土砂の流出、洪水、渇水を緩和する機能が失われてしまいます。

日本の各地では地産地消の活動が盛んに行われています。地域で生産されたものを地域で消費しようという活動で、地場農産物の消費拡大や活性化につながります。それは林業においても同じ事。もっと国産材を使っていくことで森の手入れをする資金が生まれ、健全な森づくりにつながります。

「糸島くらし×ここのき」には、押しピンと組み合わせていろいろな場所にくっつけられるねずみのマグネット「てっそ」、壁に取り付けてこどもの身長を計れる「キリンの身長計」、木の木目で葉っぱの葉脈を表現した「木の葉皿」や「木の葉時計」などユニークで素敵な製品や私たちの生活に身近なイスやテーブルなどの家具も揃っています。

「日常で使う家具や道具を木の製品にかえてみてほしですね。日々の暮らしの中にもっと木を取り入れ親しむことが、森への関心や愛着につながるのではないでしょうか。」と野口さん。

今ではネットワークが広がり、約60人の糸島のつくり手による陶器や書籍、食品など生活に関連の深い製品を幅広く取り扱っています。

「糸島には山があり、海があり、田畑があり、つくり手がいます。木に限らず、私たちの身近にあるものを無理なく使うことが生産者を守り、自然を守り、私たちの生活を守ることにつながると思います。」と、想いを語ってくれました。

いま野口さんの最大の関心事は間伐材の利用方法。ご自身のアイデアと糸島のつくり手の協力から生まれた製品もいくつかあるそうです。

野口さんとお話して、実は私も少し木に関心を持つようになりました。ちょうど志摩にある木の家具「工房西」さんで60種類の一枚板の展示が行われており見に行ったのですが、育った環境でまったく木目が違っていることにびっくりしました。

私もこれを機会に間伐材の利用方法を考えてみたいと思っています。

 

糸島の作家のまとめ役として、つくり手と買い手をつなぐイベント「糸島くらしマーケット」を主催し、福岡市内の商業施設イムズや木の葉モールへ出店。現在も天神の三越で開催中。

 

糸島くらし×ここのき

糸島市前原中央3-9-1 唐津街道前原宿通り

TEL092-321-1020

営業時間/平日12:00~18:00 土日祝10:00~18:00

定休日/火曜日