芥屋の大門にちなんだ代々続く雑貨屋さん。
大門屋 三代目ご主人 柴田 勇起さん
「わけあり・低価格」の先駆け有名店。
昭和30~40年代にかけては、各地の集落にその地域の人たちの生活を支える雑貨屋さんが数多くありました。ちょっとした生活雑貨や食料品、ジュースやお菓子などが揃っており、お小遣いを持った子どもたちが集まる光景が各地で見られたものです。
今ではスーパーやショッピングセンターなどで買物することが当たり前となり、そのような雑貨屋さんも少なくなりつつありますが、福岡市西区の西の浦に100年続く雑貨屋さんがあると聞いてお訪ねしてみました。
お店の名前は大門屋。三代目のご主人、柴田勇起さんの祖母が芥屋のご出身で、糸島の観光地「芥屋の大門」にちなんで名付けられたそうです。
かつての西浦も、大門屋さんを含む8軒の雑貨屋に、3軒の豆腐屋、食堂、一杯飲み屋、床屋、魚屋、鍛冶屋、個人タクシー、船大工、旅館とそれは賑やかだったそうです。
しかし、大型商業施設の影響で経営が厳しくなり、今では一部のお店を除いてすっかりその数も少なくなってしまいました。
大門屋さんも例外ではありませんでしたが、今からちょうど20年前に転機が訪れます。お花の栽培をしている従兄弟から、「出荷できない花をお店で売ってほしい」とお願いされて販売を開始。今で言う“わけあり商品”にあたるお花を、低価格で売り始めたところこれがクチコミで広がり、一部の人たちの間ではちょっとした有名店になっています。
西浦といえば漁業のイメージがありますが、お話を伺うと半農半漁で生計をたてられている方が多く、そのほとんどが花の栽培に携わられているのだそうです。
私も実際にお花を見せていただきましたが、菊、百合、トルコ桔梗、蘭など、どれも“わけあり”とは思えない立派なものばかりでした。『西浦地区の皆さんはご先祖様を大切にされるご家庭が多く、定期的にお花を買いに来られます。そんな皆さんのお役に立てるのが私たちの喜びでもあり、ご要望があるうちは頑張ってお店を続けて行きたいですね。』とご主人。『お花は地元以外の方でも購入できますので、糸島半島にお越しの際にはお気軽にお立ち寄りください。』と奥様。
いとしまにあ編集部もおすすめします。ただ集落の中にありますのでマナーには気を付けてくださいね。
お問合わせ
大門屋
福岡市西区西浦1050番地
電話番号 092-809-2338
営業時間 7:00~20:00
年中無休(元旦を除く)