みーつけた!!いとしまの「Ms.おばあちゃん☆」 作/中家 芽衣 

 

吉井みつえさん(93)

趣味:日本舞踊、グラウンドゴルフ

糸島歴:93

 

 「わたしは芥屋生まれで、芥屋育ちとよ。」「うんうん、ずっと芥屋におる人が多かもんね(笑)」今回お話を聞いたみつえさんと、一緒にお話しをしてくれたお友達の畠中歌子さんは生粋の芥屋っ子である。芥屋は、集落への大きな入り口が二つしかなく、周囲から孤立している。昔は世帯数が二百軒くらいでよそに人を出したくなかったらしく、芥屋の人同士での結婚が普通だったという。そのため今でも親戚が多い。

 芥屋は、東京や京都でも知っている人がいるほど有名な観光地だ。国定公園に指定され、日本三大玄武岩洞の一つである「芥屋の大門」のおかげである。この珍しい玄武岩を見ようと全国から観光客が訪れる。昭和初期までは、芸者さんを育てる見番もあり、旅館街も栄えていたという。今でも人数の多い宴会のときは、その旅館を目指して芥屋まで来る人も多い。

 また、芥屋を含め糸島では、相撲の大会が多い。それには、芥屋出身の力士で、「芥屋の大門」に由来した名を持つ大門岩(おおといわ)さんの影響が強いという。「会ったことあるけどねえ、あの人はえらいおっきい人やったよ。」と歌子さんは言う。大正時代に活躍し、力士が芥屋から出たということで地元は大層にぎわったらしい。相撲ブームが芽生え、そこから糸島の各地で相撲が開かれるようになったのではないかと言われている。「風止め相撲」といい、台風の大風を防ぎ、五穀豊穣を祈願する神事として現在も九月九日に開催されている。

 伝統料理には“こてがい”という、地元のテレビでも取り上げられた男の料理がある。鶏肉を野菜などと一緒に甘辛く煮たもので,お酒のつまみにちょうど良く、今でも地域で集まるときには作るという。

 芥屋は、温暖で無霜地帯であるため、おいしい農作物ができる。「他の地区の人との集まりにふかした芋とかを持っていくとね、みんなえ〜らい美味しいって褒めてくれるとよ。やっぱり芥屋のもんは美味しかとやろね。」とみつえさんは言う。昔は米や麦、菜種を育てるところが多かったが、土地が狭かったため単価の高いイチゴなどに徐々にかわっていったという。

 「ほらほら、見るだけやなくて食べんね。ぜーんぶ食べていいとよ。」取材中,歌子さんが、自分の畑で取れたイチゴをたくさん持って来てくださった。きれいな赤いイチゴで、味も甘く、とっても美味しく頂いた。

みつえさんの,93歳になられた今でも元気である秘訣は、趣味の日本舞踊とグラウンドゴルフで身体を動かしていたから、と笑う。この歳にしてまだまだ元気なみつえさんと歌子さんとの2時間、とても楽しい取材だった。

 

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